『さようなら、猫』 井上荒野

猫好きなのに、猫アレルギー(たぶん)の私。
だから、猫と付くものには敏感なつもり。

この本を選んだのも、たぶんその辺からきていると思う。

さようなら、猫さようなら、猫
(2012/09/15)
井上 荒野

商品詳細を見る

乾いている人、求めている人、 愛している人、
憎んでいる人、何も考えたくない人。
彼らの日々にそっと加えられる一匹の猫。

さびしくなかったら、きっと仔猫を助けるなんてことはしなかっただろう。
だから、ハッピーを手放すのは、
たんに元いた場所に戻るということなのだ。
元いた場所って?(「自分の猫」)  

猫が横切るままならない人間世界。
短編の名手が紡ぐ9つの物語。(光文社HPより)


タイトルに「猫」と書いておきながら、話の中では猫はメインではない。
まったく猫が出てこない話しもあるくらいだ。
それでも、それぞれの話しの中には猫は重要な位置を占めている。

井上荒野さんの作品は初めて読んだ。
“短編の名手”と言われているようだが、さすがにうまい。
わずか20数ページの中に、とても濃い人間模様が凝縮されている。
短編ほど、簡潔に終わらせるのは難しいであろうに、見ごとに完結している。
(シャレ?)

一番最初の話し『自分の猫』で、
捨て猫を魔の手(?)から救い出した主人公の美那が、その猫を飼うことになったとき、
田舎の実家でも猫は何匹か飼っていた。でもあの猫たちは、実家の猫で、自分のじゃなかった。ハッピーを飼いはじめて、そのことがわかった。なぜならハッピーは、間違いなく、美那の猫だったから。
この感覚、わかる気がした。
私も子どもの頃に飼っていた猫は、確かに家の猫だった。
面倒を見るのもほとんどが母親だったし、自分はたまにエサをやったり、気が向いたら遊んでやったり布団に入れるだけだったから。
結婚して、猫ではないが、犬を飼い始めた時に「ああ、この犬は私が育ててやらないといけないんだ」と、責任感が湧いたのを覚えている。それは、嬉しいようで、大丈夫なのかと不安ばかりだったようにも思える。

猫一匹を巡って、その人の隠れた一面が出たり、自分の内面を垣間見たり、昔の想いを確認したり…
猫という無条件な存在に、つい心が緩んでしまうのだろうか?
猫の手(?)を借りて、やっと振り向けることもあるんだろう。

猫好きの方にも、そうでない方にもどうぞ。


                     by 蜩
スポンサーサイト

バリィさん優勝! と あとは知らない

全国から865のゆるキャラが参加した「ゆるキャラグランプリ2012」の投票結果が25日発表され、1位に愛媛県今治市の「バリィさん」(昨年2位)が輝いた。焼き鳥が大好きなトリだといい、「焼き鳥の町」今治をPRする。(朝日新聞デジタルより)

バリィさん1位
(画像も朝日新聞デジタルより)

   やったぁ~!!ヽ(^o^)丿  

バリィさんが優勝だぁ~い!!!
  

2位は、「ちょるる」(山口県)
3位は、「ぐんまちゃん」(群馬県)
特別賞は、巨大な力士をかたどった埼玉県飯能市の「ぴあにしき」が受賞

・・・・・
すみませんが、どなたも存じ上げません。

その他の順位は「ゆるキャラグランプリ2012」のHPで見られます。
*詳しくはこちら→ゆるキャラグランプリ2012

兵庫県のゆるキャラを見ても、知っているのは13体中、2体だけ。
ううん、ちょっとゆるキャラ作りすぎ?

まぁ、そんなことはさておき。
とにかく、バリィさんが優勝してとっても嬉しい蜩でした。


                     by 蜩

『悪い本』 ~怪談えほん~ 宮部みゆき・吉田尚令

子ども向けの絵本なのに、ここまで怖くしていいのか…?

大人が読んでも怖くなる、『怪談えほん』シリーズ。
詳しくはこちら 怪談えほん

シリーズの企画監修をされた 東 雅夫(文芸評論家)さんからのメッセージ
子どもたちは、おばけが大好きです。
不思議な話、怪しい話、怖い話が出ると、いきいきと目を輝かせて聴き入ります。

なぜ人は、おばけの話すなわち「怪談」に惹かれるのでしょう。
おそらくその根源には、未知の世界に憧れたり、眼前の現実を超えた世界を希求してやまない心
——人類進化の源でもある探求心が息づいているのだろうと思います。

そしてまた、優れた怪談作品は、人の心の真実や世の中の真理を、恐怖する愉しみとともに私たちに教えてくれます。
幼いころから怪談に親しむことによって、子どもたちは豊かな想像力を養い、想定外の事態に直面しても平静さを保てる強い心を育み、さらには命の尊さや他者を傷つけることの怖ろしさといった、人として大切なことのイロハを自然に身につけてゆくのです。

私たちが人生で初めて出逢う書物である「絵本」を通じて、良質な本物の怪談の世界に触れてほしい
——そんな願いから「怪談えほん」シリーズは生まれました。(岩崎書店HPより)


そして、編集部からも…
執筆陣に迎えたのは、日本を代表する怪談文芸や怪奇幻想文学のプロフェッショナルたち。
それぞれの作家陣、画家陣が、この企画に賛同して集結しました。

研ぎ澄まされた文章が、実力派画家によりビジュアルで表現され、今までにない美しくて深みのある怖い絵本ができました。
子どもはもちろん、大人にも読み応えのある作品です。「怪談えほん」の世界を、じっくり味わってください。


そこで、第一作目である、『悪い本』 を紹介。

悪い本 (怪談えほん1)悪い本 (怪談えほん1)
(2011/10/08)
宮部 みゆき

商品詳細を見る

この世のなかのどこかに存在している悪い本は、あなたにいちばん悪いことをおしえてくれるでしょう。そんな本いらない? でもあなたは悪い本がほしくなります。きっとほしくなります。宮部みゆきと吉田尚令が子どもたちに贈る、この世でいちばん悪い本。

もうねぇ、表紙を見ただけでゾッとするんです。
可愛いはずの、ぬいぐるみや人形が並んでいる本棚の上。
全体を覆う、セピアの配色が余計、恐ろしさを増す。

「わたし、何か悪いことしたっけ?」と、思わず呟いてしまうこの罪悪感は何だろう?
そんな思いで読み始める…

「ああーーーっ!こわーーーい!!」

おばけも幽霊も出てこないのに、この恐怖はなんなのか!
ズンズン迫ってくる、恐怖。
言葉だけなのに、こんなに追い詰められるのはいったいなんなの!?

これは、人が持っている黒い部分に問いかけてくるからなんだ…
だから余計に怖いんだ…

児童書専門の作家さんではなく、怪談やミステリー、SFなどを得意とされている作家さんが書かれているのと、その話しにマッチした、画家の方の絵が恐ろしさを増幅させている。

子どもはこの本を読んで、どんな反応を示すのか見てみたくなった。

その他にも、あと4冊刊行されているので、是非全巻読んでみたいと思う。


                    by 蜩

『おとぎ話の忘れ物』 小川洋子&樋上公実子

ちょっと不思議な世界にご招待。

おとぎ話の忘れ物おとぎ話の忘れ物
(2006/04/26)
小川 洋子

商品詳細を見る

小川洋子の極上世界がさらに官能的に響く!
忘れられたおとぎ話の中で、オオカミは腹を裂かれ、少女は行き先を見失う。
画家・樋上公実子のイラストをモチーフに、作家・小川洋子が紡ぎだした残酷で可憐な物語。
書き下ろし競作集。(集英社HPより)


舞台は、スワンキャンディーで有名なキャンディーショップにある“忘れ物図書室”。
キャンディショップに図書室とは、ミスマッチな感じがするが、この老舗キャンディーショップ(元は飴の小売業)の二代目が、修行のために行った海外で出会ったある“忘れ物”を集めた部屋なのだ。
ある“忘れ物”とは、誰が書いたともわからない「おとぎ話」。
本当の目的はどこへやら、この忘れ物を探しに世界中を渡り歩いて収集し、自身で編集し、製本したものがこの図書室に収められている。もちろん、閲覧は自由。

さて、その“おとぎ話の忘れ物”をのぞいてみましょう。

『ずきん倶楽部』
犬の散歩でよく出会う、狼のような犬を連れた素敵な女性。
会う度違ったずきんをかぶっている彼女は<ずきん倶楽部>の会長なのだ。
<ずきん倶楽部>のパーティに誘われて行ってみると、会長がかぶっているずきんはあの“赤ずきん”ずきんだという。
次の日から、犬の散歩に来なくなった彼女の家を訪ねてみると…

『アリスという名前』
私はアリスという名前が嫌いだ。
だって、クラスで整列する時、いつも先頭だからだ。
それと、アリスは“蟻”を連想させる。
パパが誕生日プレゼントにくれた<蟻の巣セット>のせいだ。
ある日、<蟻の巣セット>で増えた蟻の1匹が私の鼻から入ってしまった。

『人魚宝石職人の一生』
人魚姫のために宝石を作る職人が、人間の王子に恋をした末の姫の為に、彼女の大好きな海星で作ったひれ輪を送った。
人間になったのに、王子の妃になれなかった姫は、ある日海の泡となって消えた。
それを悲しんだ宝石職人は、自分の命と引き換えに、王子の妃にかつて人魚姫にあげた海星のネックレスを送る。
すると、ネックレスをした妃は…

『愛されすぎた白鳥』
大きな森に一人で住む番人は、十日に一度やってくる食料の配達人との話だけが楽しみであった。
ある日、湖に白鳥を見つけた番人は、仲良くなりたくて毎日白鳥に会いに行った。
もう、白鳥のことしか考えられなくなった番人は、やっと心を許してくれた白鳥に配達人がくれたキャンディーをあげた。
その数は、日に日に増えていき、とうとう…


どの作品も、有名なある童話がモチーフになっている。
が、内容はかなり違って、読んだ後、ゾッとしたり、悲しんだり、無言になったりと「おとぎ話」とはちょっと違うんじゃないか?と思ってしまう。

樋口公実子さんの絵を基に、小川洋子さんが話を書かれたそうだ。
何とも、ミステリアスなイラストなので、思わずドキッとしてしまった。
この絵から、このような話が生まれたとは…
インスピレーションでここまで書けるとは、スゴイとしか言いようがない。
とにかく、表紙の絵を見ただけでも、内容が気になってしまったくらいだ。


何気ない文章の中に、何とも言えない狂気が潜んでいる。
そして、だんだん読む者が追い詰められていく…
でも、この感覚、癖になってしまう。


                   by 蜩

『東京ネバーランド』 吉川トリコ

ネバーランド といえば『ピーターパン』に出てくる大人になれない子どもが集まる世界。
子どもの頃に読んだままで、最近は専らディズニーの話に染まりすぎてしまったこの話をちょっと深く見てみたい。

ウィキペディアで調べると…
ピーター・パンはロンドンのケンジントン公園で乳母車から落ちたところをベビーシッターに見つけられず迷子となったことから年を取らなくなり、海賊のフック船長やインディアンのタイガーリリーが住む異世界・ネヴァー・ネヴァー・ランド(ネバーランド)に移り住み妖精・ティンカーベルと共に冒険の日々を送る永遠の少年である。
ネバーランドにはピーターと同じように親とはぐれ年を取らなくなった子どもたち(ロストボーイ)がおり、ピーターは彼らのリーダー的な存在である。

そうだったんだ。
ピーターパンって、元々は人間の子どもだったんだ。(当たり前か?)


そして、この本。
東京ネバーランド東京ネバーランド
(2012/07/19)
吉川 トリコ

商品詳細を見る

都会がみせたひとときの夢物語
大人のようでいて子どものようでもある、ふしぎな魅力を放つ青年・ヒトリ。OL、女子中学生、主婦etc.……五人の女性たちに訪れた彼との劇的な出会いを、鮮やかに描きだした連作短編集。(実業之日本社HPより)


東京という大都会のネバーランドの中で、生きているピーターパン=波多野 一人(はたの かずと)、通称ヒトリ。
ルックスは良いし、人懐っこい性格も人を引き付けるのにはじゅうぶんだ。
出会った女性たちを夢の世界へ連れて行く…
といっても、彼は“ただ、そこにいるだけ”でいいのだ。
寄り添って、体を重ねて、話を聞いて、声を聞くだけでいい。
否定しない彼の存在が、危なっかしい立ち位置にいる女性には大事なのだ。
それ以上束縛すれば、するっと逃げていきそうな、そんな儚い関係だからこそ、いつでも覚悟ができている。
ある日、ふっと彼がいなくなっても大丈夫なように。
それは、まるで野良猫のようだ。

ヒトリ自身、数奇な育ち方をしている。
だからこそ、ピーターパンになったのかもしれない。

いまに限らずもうずっと、おれは途方に暮れているんだ。

どんなに大変なことがおきても、真剣に考えてないように見える。
自分の部屋の前に赤ちゃんが置かれて「あなたのむすめです 名前はさくらとゆいます」と手紙がそえてあっても…

出会った女性はたくさんいても、みんな自分を通り過ぎて行くだけだったから。
結局、自分は成長しないままこの東京の街を彷徨っているだけなのか…


“ピーターパンシンドローム”という病名が流行った(?)時期があった。
「成長することを拒む男性」のことだ。
年齢から見ると立派な大人なのに、思考回路が成長してない。
その人物だけをみると、危なっかしくて、「なにしてんだか!」と怒りたくなる。
しかし、大人になって日々のいろんなストレスにさらされている自分のそばに、そんな既成概念を持たない人間がちょっといてくれたら安心するのかもしれない。
ずーっといっしょにいると、自分がダメになるかもしれない怖さはあるけど。

各章のタイトルが『ピーターパン』に出てくる人物の名前が入っていて、はじめの方にはにイラストがある。
それを見るだけで、早く中身が読みたくなった。


                       by 蜩

間違い電話 と 酔っ払いおじさん

ついさっきの事。

家の電話が鳴った。

私「はい」 (基本、私は名乗らないことにしている)
相手「・・・・? N村さんですかぁ?」

私「いいえ、違いますよ」
相手「80の、○▽○☆番ですかぁ?」

私「いいえ、ウチは○☆○☆ですよ」
相手「ええっ? 80ちゃうの?」

私「いえ、80はあってますが、あとの番号が違ってます!」
相手「えっ?○▽○☆とちゃうんですか?」

この辺で、どうもこの相手のおっちゃん、酔っぱらってるなと気付いた。

私「ウチの(電話)番号は、80の、○☆○☆ですよ!!」
相手「ん? ○▽○☆ですやろ?」

私「だから、違いますって!ウチは○☆○☆!!」
相手「へっ?違ってましたかぁ?おかしいなぁ~ ○▽○☆とちゃいますかぁ?」

いやいや、おかしいのはおっちゃんの方やから!

私「はい、まちがってますよ!」
相手「そ~かぁ~ はっ、すんませんでしたぁ  ○▽○☆ちゃうんかぁ~ガチャ ツーツー

かなり、出来上がっているように思えたおっちゃん。
舌がちょっと回ってなかったもんね。

ウチの電話番号と一つ違いだけだったんで、惜しい!と心の中では思ってたんですが、なんか無碍に切ってしまうのもかわいそうな気がして、しばらく付き合ってました。
今度はちゃんとN村さん宅にかかったかな?
もしかしたら、自分の家だったりして…


                        by 蜩

『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』 田幸 和歌子

NHK放送、朝の『連続テレビ小説』=『朝ドラ』

毎日観ていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
そういう私も、毎朝これを観てから出勤してます。

その、『朝ドラ』を長年観続けてこられた著者が、疑問に思ったことや気になることを調べ上げたのがこの1冊。

大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた
(2012/09/13)
田幸和歌子

商品詳細を見る

「朝ドラっぽい」とは何なのか?
日本の女性と家族、仕事と恋愛、幸せのかたちを描いてきた NHK「連続テレビ小説」、通称「朝ドラ」。
誕生から51年。 続いてきたのには、理由がある。
「朝ドラ」の秘密が満載!!!!
・朝ドラヒロインは、本当に「明るく」「前向き」か?
・最高視聴率62.9%の"お化け番組"『おしん』の大ブーム
・主婦が熱烈に支持し、男性たちが批判した『青春家族』のヒロイン
・朝ドラナンバーワンの相手役は、『あぐり』のエイスケさん? 
・『ゲゲゲの女房』で挑んだ大変革
・人間の「毒」「業」を鮮やかに描き出した史上最高傑作『カーネーション』
・両想いのふたりに障害がふりかかるパターン、最悪な第一印象から恋に発展するパターン
・朝ドラの「職業」の変遷
・戦争体験を語り継ぐという役割
・新人女優の"登竜門"ヒロインオーディション
・「朝ドラ」専門の部署はなく、戦略もない (太田出版HPより)


もう、読んでいただくしかないような本。

『朝ドラ』をずっと観てこられた方には、懐かしい想いがするはず。
私も、記憶をたどってみると、内容ははっきり覚えていないけどタイトルを覚えてる『藍より青く』(1972年)。
斉藤こず恵ちゃんが可愛かった『鳩子の海』(1974年)。
それからの作品はうっすら記憶にあるのだけど、はっきりとは覚えていない。
その頃私は小学生だったので、学校の始まる時間から考えると『朝ドラ』を観ていては遅刻になる。
でも、覚えているのはどうしてだろう?

私の母は、毎朝この『朝ドラ』を見るのが習慣だった。
8時15分になると、用事をしながらもテレビに向っていた。
この、たった15分がその日の始まりには欠かせないのだろう。
母が一番好きな作品は『おはなはん』(1966年)だ。
この本にも、朝ドラの人気が定着したのがこの『おはなはん』からのようだ。

私も今はすっかり習慣付いてしまい、本放送の前のBS3で7時30分からの方を観てから出勤している。
ハマったのは『ゲゲゲの女房』(2010年)と『カーネーション』(2011年)。
特に、『カーネーション』の主人公、糸子の不倫相手になる周防役の綾野剛さんにメロメロ。
どうも、私のようになった女性が多かったとか。
今でも彼の大ファン。
『ゲゲゲの女房』も『カーネーション』も実在の方をモデルにした作品。
だから余計にリアルに感じたのかもしれない。
そうでないのが、いかにも“作った話し”に感じるからなのか?

ドラマの中で、特に気に入った母親のセリフがある。
『京、ふたり』(1990年)
マザコン男とつきあう娘に「はっきり言ってください。あんなマザコンの女々しい男の人とは別れなさいって」と助言を求められた母親は、
「あなたの恋でしょ。とにかく自分の心に正直に生きなさいね。好きなら、おつきあいすればいいのよ。シンプルに考えなさい。」
また、娘の不倫を知った時にも、
「二十歳の娘に何を言えばいいの。二十歳になって、相手の人がどういう人か解らない人はバカだわ」

『カーネーション』
女学校を辞めてまで働きたかった糸子を、妹の静子が姉の事を羨ましがって母親に愚痴をこぼすシーン。
「好きな事をするっちゅうんはな、見てるほど楽ちゃうんやで?女は余計や。大変なんや。姉ちゃんは偉いやん。やりたい事があったら全部自分でどないかしよる。どんだけしんどうても、音ぇを上げへん。ええなぁ思うんやったら、何ぼでも真似しい。でも、真似でけんと文句だけ言うんはあきません」

今は私も一人で朝ドラを観ているが、家族と一緒に観ておられる家庭も多いのではないでしょうか?
朝から観ても、嫌な気がしないのは、作り手の想いがはっきりしているからのようだ。
朝ドラは、できれば100%の人に楽しんでほしい。その結果、『おじいちゃんおばあちゃんが安心して観られるもの』になっていくんだと思います。

主人公に感情移入したり、応援したり、反感を持ったり…
ついつい見入ってしまう私は、一つの作品が終わることが辛くて辛くて、「明日から私はどうして生きてゆけばいいの!?」と、つい自分自身に問いかけてしまってる。
でも、新しい番組が始まると、またまたのめり込んでしまうのだ。
今、放送中の『純と愛』も、毎日ハラハラしながら観ている。
思わずツッコミ入れてしまうのは、大阪放送局の制作だからだろうか?
タイトルの絵が大好きな荒井良二さんだというのも、嬉しいことの一つ。

思えば、明るく前向きであること、辛抱すること、人に対して悪意なく優しくあること、困難に負けずにがんばること、家族のために尽くすこと…こうした日本人の「善良さ」や「美徳」は、朝ドラによって刷り込まれ、教えられたものも多いような気がする。
日本人の1日のはじまりに、安らぎや、あたたかい気持ちを与える15分。(中略)正面から子に何かを語ることができない日本の親たちが、朝の時間を共有し、ドラマを観つつ会話することで、「ものの見方」「考え方」「価値観」の土台を、子に日々継がせる儀式として「朝ドラ」が機能している面もあると思う。


こんなたいそうな考えは持ってないが、朝ドラは「観るだけで安心する」番組だと思う。
誰かのために、そこまで必死になれるか?
私がたぶんやれないことを、ヒロインはいろんな障害を受けながらもがんばっている。
それを観てると、「自分もがんばろうかな?」と心のすみっこでちょっぴり思ってみたりする自分が、ちょっぴり可愛く思えたりして…
そんな、ちょっぴりでも良いから、ファイトをくれる朝ドラが私は大好きです!


                  by 蜩

愛(いとし)くん役の人ってジャニーズだったんですねぇ~ 知らなかった。

書評 と 感想文

いつも思うことなんですが、
私って、本はよく読んでる方だとは思っているのです。
でも、読んだあとの感動や想いというのがいまひとつまとまらないのです。

一応、本の紹介はさせていただいているのですが、
たまたま、同じ本を読まれた方のレビューなど拝見した時、すごいショックを受けることがあります。
「同じもの読んで、どうしてそこまで深く、理解することができるのだろう?」と。
私は上っ面だけを読んでいたにすぎないと、反省することばかりです。

“本の感想など、人それぞれ感じることが違っていいではないか。”

そう思ってこれまでやってきましたが、あまりにも自分の文学に対しての知識が無いのに嫌気がさしてきました。

学生時代の読書感想文にしても、多くの生徒がそうであったように、ほとんどがあらすじで終わっていた状態。
読書感想文コンクールに選ばれた人の作品を読むと、この人は本当に私と同年代の学生なのか?と疑いたくなるほどの出来栄え。(選ばれたんだから素晴らしいのは当たり前かな?)
同じ本を読んでいた人の感想文を見てみると、「そうそう、私もそう思っていたんだ!今なら解るよ!」と、解っているのに言葉にできなかった悔しさがこみ上げてくるんです。

なのに、本を読むことは大好き。

いろんな方の書評を読んで、勉強させていただいてるつもりなんですが、もともと知識に乏しい私の脳みそは老体に鞭打つ状態です。

とまぁ、本の紹介の記事を書こうと思って、何度も消しては書きを繰り返してた時に、自分の無能さに腹が立ってきてこのような記事を書くに至りました。

ちょっと愚痴が言いたかったのかもしれませんね。
すみませんでした。(T_T)

これに懲りず、また本の紹介はして行きますのでよろしくお願いしますネ。


                        by 蜩

チロ通“いきなり団子” と くまモンよりバリィさん

またまたチロ通です。

随分前に黒猫から、「くまモンのチロルが売ってるよ~」と聞いていた。
こちらで探しても見つからず、あきらめかけていた時、なんといつもお世話になってるスーパーで発見しました。

熊本名物 いきなり!団子 チロルチョコ

いきなり!芋団子

ホント、いきなりです。
パッケージを見て、めっちゃインパクトがありました。
これを見つけられなかった私は、どうかしてました。

いきなり団子って聞いたことあるんですが、実物は食べたことがありません。
調べてみると…
輪切りにした生のサツマイモを小麦粉を練って平たく伸ばした生地(団子)で覆い隠す様に包んでいき、蒸し器等で蒸かしてそのまま食べる菓子である。
名称の由来は短時間で「いきなり」作れると言う意味と、来客がいきなり来てもいきなり出せる菓子という意味と、生の芋を調理する「生き成り」(いきなり)と言う語句の意味が重なっていると言われる。別の言われとして、熊本の一部地域では今でも片付けが苦手な人をいきなりな人と言う。転じてざっとしている事を意味し、ざっと作れる菓子との説も有る。また「いきなり」とは地元の古い方言で「簡単」という意味があり、いきなり団子、とは「簡単に作れる団子」の意ともされる。(ウィキペディア参照)


なるほど、いろんな説があるのですね。

それでは食べてみることに。
まずは、断面ショー

いきなり!芋団子2

左が、さつまいも
右が、紫いも
どちらも熊本県産のお芋を使用しています。

本物の“いきなり団子”は、団子の皮の中にさつまいもと餡が入っています。
チロルの“いきなり!芋団子”は、芋味のチョコレートの中に餡と団子が入っています。
紫いもの方は、白餡ですがね。

お味の方は…
口に入れると、ほわぁ~っとさつまいもの香りが広がります。
噛むと、モチモチした団子の歯ごたえがいいですね。
紫いもの方は、「紫いも香料使用」と書かれているので、紫いも自体にあまり香りがないんでしょう。
色はとてもきれいなのですが…

ところで、この外袋の左右両端に、“チ・ロ・ル・チ・ョ・コ”と書かれているんですが、その形がさつまいもとその葉っぱなんです。
こういう細かい所にまで神経を使われるチロルさん、さすがですね。


さてさて、くまモンと言えば、『ゆるキャラグランプリ』で一位を獲得しましたね。
でも、
私は二位のバリィさんのほうが好きなんです。

バリィさん

随分前に黒猫が自分のブログで紹介してたのですが(上の画像は黒猫のブログから借りてきました)
(そのブログはこちら黒猫の空中散歩『バ、バリィさん…?』)
もう、一目ぼれでした。
なんなんですかねぇ~
この、ぽてっとした体格とつぶらな瞳。
以前、何かで読んだのですが、愛されるキャラクターの条件が、
①太っている ②目が小さい らしいです。
なるほどなぁ~
前回の記事で書いた、“たぷたぷ”も、ぽっちゃりしてるし、目が小さい。
思わず抱きつきたくなる風貌がいいんでしょうね。

バリィさんのHPはこちらですいまばりゆるきゃら バリィさん
よかったら『ゆるキャラグランプリ』に投票してね!
2012年の投票は今月、11月16日で締め切りです!


                       by 蜩

パンダのたぷたぷ と チロルを求めて三千里

私のまいぶーむ。

パンダのたぷたぷ 

パンダのたぷたぷ
えっ、ご存じない?

関西にお住まいの方なら知っている方がいらっしゃるかも。
日本テレビ系列の朝の情報番組、「Zip」の関西ローカル版「す・またん」の中で放送中です!
しかし、朝の5時59分30秒から、わずか30秒だけの放送。
見逃す時もあるんですが、「す・またん」のHP→「す・またん」の中でも見れるので安心。

上のプロフィールにも書かれていますが、“干支の国”にきたたぷたぷはそこで、干支たちと出逢います。
12匹の干支さんも、それぞれカワイイのです。

とにかく、癒されます。

この下膨れした顔、柔和な表情、もーーーーっ、カワイイ!!

この、パンダのたぷたぷのことをもっと知りたい方はこちらへ→パンダのたぷたぷオフィシャルサイト


ある日、たぷたぷのHPを見てると、トピックスのところに「チロルチョコ☆」とあるではないですか!
調べてみると、たぷたぷのチロルチョコが、サークルKサンクスで発売されるとなってる!
これはもう、買わないわけにはいきません。
発売日の11月6日を待ちながら、近くのサークルケKサンクスを探しました。

あったんです。
でも、少々離れてます。
約2km。
バスでも行けるが、お菓子を買うためにバスに乗って行くのもなぁ~
歩けない距離ではないが、高低差が激しい所(傾斜60°はあるかも)なのでちょっと二の足を踏んでしまった。
さぁ、どうする!?

歩いて行こう!!

(いや、大文字にするほどの事ではないんですがね。)

7日は休みだし、天気もまあまあイイ感じ。
意を決して家を出ました。行きは下り坂なので楽ちん。
20分ほどで到着。
コンビニに入って、たぷたぷチロルを探す。
「あったぁ~」まるで、長い間会えなかった恋人に会ったみたい。
干支さんたちのもあるので全部で20種類、全部カゴに入れ、それだけだとちょっと悪いかな?と思い、他のお菓子や飲み物も入れる。
レジにもって行くと、レジのお姉さんが半分笑いながら一つづつピッとしてくれる。
「全部で19個でいいですね」と言われ、「えっ」と驚いた。
確か20種類のはずだが…
いい歳したおばさんが、カワイイ1個20円のチロルチョコをたくさん買っている画を想像したら、急に怖気づいてしまい、「19個でいいです」と、言ってしまった。

しかし、その時私は発見してしまった!
子ども用のレジカゴに、たぷたぷがいるではないですかぁ!!

たぷたぷ

「わぁ~ ここにもたぷたぷがいる~」と、興奮気味に叫んだ私を、いぶかしげに見ていたレジのお姉さんが、
「これ、なんですかぁ~?」と。
「これはですね、『パンダのたぷたぷ』と言いまして、新しいキャラクターなんです。テレビでも放送されていますよ!」と、はりきって説明してしまった。
お姉さんの、先ほどからの変人を見る目はますます濃くなり、私はそそくさと店を後にしました。

帰りはひたすら上り坂。
あまり大変だったらバスに乗ろうと思っていたのに、時間を見てなくて、歩いている横をバスがブゥ~と追い越していきました。
帰りは30分みっちりかかりました。


さてさて、そこまでして手に入れたチロルチョコをご紹介。
まずは、干支さんたち。

たぷたぷ

左上から、子(じこチュウ) 丑(もささ) 寅(とら吉)
左下は、卯(うさりん) 辰(ドーラ) 巳(ベビへび)
こちら茶色のパッケージは、“たぷたぷミルク

たぷたぷ2

左上から、午(ぽっくん) 未(もふもふ) 申(さるる) 
左下は、酉(ぷるぴよ) 戌(ぶるーる) 亥(うりぼん)
白いパッケージは、“たぷたぷホワイト

たぷたぷ3

そして、我らがたぷたぷシリーズ。

たぷたぷ4

断面ショーもあるよ。

たぷたぷミルク…ミルクチョコの中に小麦パフとホワイトチョコを入れたサクサク食感が楽しめるチロルチョコ
たぷたぷホワイト…ホワイトチョコの中にCaココアビスケットを入れてセミスイートチョコとホワイトチョコで閉じ込めました

どちらも、新しい食感でおいしい!
パッケージに力を入れ過ぎて、中身をおろそかにしてるのかと思えば、全然そんなことはない!
パフとビスケットのちがうサックリ感がまたいいです。

これは是非是非お試しを!
そして、『パンダのたぷたぷ』もよろしく!


                   by 蜩

『ひらいて』 綿矢りさ


ひらいてひらいて
(2012/07/31)
綿矢 りさ

商品詳細を見る


やみくもに、自分本位に、あたりをなぎ倒しながら疾走する、はじめての恋。

彼のまなざしが私を静かに支配する――。華やかで高慢な女子高生・愛が、妙な名前のもっさりした男子に恋をした。だが彼には中学時代からの恋人がいて……。傷つけて、傷ついて、事態はとんでもない方向に展開してゆくが、それでも心をひらくことこそ、生きているあかしなのだ。本年度大江健三郎賞受賞の著者による、心をゆすぶられる傑作小説。(新潮社HPより)


彼の瞳。
凝縮された悲しみが、目の奥で結晶化されて、微笑むときでさえ宿っている。本人は気付いていない。光の散る笑み、静かに降る雨、庇の薄暗い影。


この話の冒頭。
そんな瞳の彼、“たとえ”に、恋している主人公の“愛”。
たとえの机の引き出しにしまってあった手紙を読み、恋人の存在を知ってから、愛の行動は軌道をどんどん外れて行った。
たとえの恋人の“美雪”に接近し、友達以上の関係にしていく。
しかし、ふたりの絆はそんなことではビクともしない。
更に苛立ち、愛の行動はエスカレートしてゆく。

綿矢りささんの作品に出てくる女性は、恋愛に対して不器用な人が多い。
外見はそこそこいいのに、自ら辛い状態にもって行く。
それだけ自分に嘘がつけないからからだろうか?

好きな相手の彼女を寝取るなんて、やっていることは、さすがにおかしい。
でも、なぜか批判できない。
気持ちがよくわかるからだ。

若年性の糖尿病を患っている、美雪。
家庭に問題がある、たとえ。
お互い、他人には理解できない辛い立場であるからこそ、深い絆で結ばれている。
その間に、無理やり押し込んでくる愛。
どうしてそこまでするのか。
受験生であることさえ忘れて…
愛をそこまで動かすものは何か。

私は神様なんか信じない。でも信じられないのに、なにかを信じなければ、やっていけない。“なにも心配することはない。あなたは生きているだけで美しい”と丁寧に言い聞かせてくれる存在を渇望し、信じきりたいと望んでいる。


                       by 蜩

チロルの動物園 と 英語のお勉強? 

チロルチョコの詰め合わせがありました。

チロルの動物園

しかも、
     楽しく英語お勉強  ですよ!

中を見ると…

チロルの動物園4

かわいい動物の絵が描かれた包装紙。
なんですが、上のほうにはアルファベットが書かれています。

勘がいい方はおわかりでしょう。
描かれた動物の英語読みの頭文字なんです。

ちなみに、正解はこのように包装紙に書かれています。

        チロルの動物園3

では、問題です。
ふたつ上の写真の左前から、なんの動物で、それを英語でなんというかおわかりですか?
、(Cは飛ばします)

正解は最後に。

絵柄の種類は全部で30種類もあります。
動物だけでなく、「動物園」「植物園」「水族館」なども入っています。
ひとつの袋に27個入っているので、全部の絵柄が入っているわけではありません。
もちろん、ダブっている絵柄もあります。
私が買った袋には、動物が14種類、その他が3種類でした。

ところで、肝心の中身はと言いますと…

チロルの動物園2

包装紙を取ると、アルファベットが書かれています。
私が開けたのは、なぜだか M?W?がたくさんでてしまいました。

そしてお味は、

動物園

お子様向けのチロルビスです。
でも、私は気にしないでパクパク食べちゃいます。ヽ(^o^)丿

さてさて、問題の答えですが…
F…きつね(Fox) K…コアラ(Koala) G…きりん(Giraffe)
N…さよなきどり(Nightingale) E…ぞう(Elephant)
W…おおかみ(Wolf) V…はげたか(Vulture)
R…うさぎ(Rabbit) Z…しまうま(Zebra)
Q…うずら(Quail) I…イグアナ(Iguana)
O…ふくろう(Owl) B…くま(Bear)

正解はいくつありましたか?
私は半分くらいできました。(これって、少ない?)

正解を見るのに、全部の包装紙を開けたので、その度に食べてたら、だんだん辛くなりました。
食べ過ぎに注意しないと!(T_T)


                 by 蜩

『ふがいない僕は空を見た』 窪 美澄

以前、『晴天の迷いクジラ』 窪 美澄 で記事を書いた。
その作者である、窪 美澄さんのデビュー作がこれだ。

ふがいない僕は空を見たふがいない僕は空を見た
(2010/07)
窪 美澄

商品詳細を見る

僕の中から湧いて出た初めてのこの感じ。つまり性欲? でも、それだけじゃないはず――高校一年、斉藤卓巳。好きだった同級生に告白されたのに、なぜだか頭の中は別の女のことでいっぱい。切っても切り離せない「性」と「生」を正面から描き、読者の熱い支持を得た驚異のデビュー作。
第8回 R-18文学賞 大賞 第24回 山本周五郎賞 (新潮社HPより)


新潮社のHPを見て驚いた。
この作品が映画化すると。しかも、今月17日の公開だ。
もうすぐじゃないか!
映画の公式HPはこちら→映画 『ふがいない僕は空を見た』

少々混乱気味の頭でこの記事を書いている。

前に読んだ『晴天の迷いクジラ』でも思ったが、この人は、どうしようもない絶望感をこんなにサラッと書いてしまう。

片思いだと思っていた七菜から告白され、コスプレセックスの関係だったあんずと別れようとした卓巳。
でも、コスプレした姿であんずとHしている動画をネットで公開され、それのコピーもバラまかれ、学校や近所からも白い目で見られるようになった。

子どもの頃から、「でぶ、ぶす、とろい」といじめを受けてきた里美。
結婚しても姑から子どもができないことを責め続けられた。
そんなストレスを好きなアニメのコスプレをし、あんずと名乗り、高校生の卓巳相手の情事におぼれていた。

両想いのはずだったのに、卓巳があんずに夢中になってしまい、夏休み中にHする予定がダメになった七菜。
単身赴任中の父がいない家には、天才的な頭脳を持ちながらも、おかしな宗教に目覚めてしまった兄と、更年期障害で辛そうな母がいる。

自殺した父、男の所に行ったままの母、痴呆の出た祖母を抱えた良太は、アルバイトを掛け持ちしても成り立たない生活に疲労困憊している。
バイト先の先輩から勉強を見てもらうようになってから、成績が伸び始め、大学進学も夢じゃなくなったが、その先輩が児童への強制わいせつで逮捕されてしまった。

卓巳の母は、旦那が家を出たあと、幼い息子と生活していくために自宅で助産院を始めた。
助産院の経営は大変なのに、しかも息子の変な噂でおかしな言いがかりを付けられることもあった。
自分の体と精神が悲鳴をあげだした時、知り合った漢方薬局のリウ先生が心をほぐしてくれた。


人は完璧ではない。
若さゆえの暴走も、迷いも、あって当たり前だ。
それなのに、それを許さない世間という壁。
なぜか、弱い者ほど叩かれやすい。
叩いている者も、実は自分も弱いんだとわかっていながら自分より更に弱い者を叩く。
一番下になった者は、その痛みと苦しみがわかっているからもう誰も叩かない。
いや、叩けない。
そして、優しくなれるのだ。

「神様は超えられると思う人にしか試練を与えません」
どこかで聞いたことのある言葉。

勉強ができる、友達がいる、家が金持ち、両親が揃っている。
それで本当に幸せなのか。
心が満たされないなら、どんなに全てが揃っていても不幸を感じる。
それが人なんじゃないかな?

悪い出来事もなかなか手放せないのならずっと抱えていればいいんですそうすれば、
「オセロの駒がひっくり返るように反転する時がきますよ。いつかね。あなたの息子さんが抱えているものも」リウ先生が指をぱちんと鳴らした。
「これくらいの出来事だと思いなさい。花粉を抱えたミツバチが花に触れたくらいの」


辛いことがあった時、素直に泣ける相手がいるだけで救われる。
黙ってそばにいてくれるだけでいいから。
そしたら、次のステップに踏み出せる。


                   by 蜩

『伏 贋作・里見八犬伝』 桜庭一樹

書店によく置いてある、小冊子。
文庫本の案内や、映画化になった書籍の案内。
ふと、目についた“それ”を手に取ると、つい引き込まれてしまった。

(ふせ) 鉄砲娘の捕物帳
人と犬の血をひき、人に化けて暮らす〈伏〉と呼ばれる者たちがいた。


映画化のチラシだったが、そのキャッチコピーを読んだだけで、心が湧き立った。
「人と犬の血をひき、人に化けて暮らす」生き物。
どんなものだろう?
映画も観たいが、原作が気になったので見てみると、作者は桜庭一樹さん。
私は彼女の作品は『私の男』しか読んでいないが、これは是非読んでみたいと思った。

伏(ふせ) 贋作・里見八犬伝 (文春文庫)伏(ふせ) 贋作・里見八犬伝 (文春文庫)
(2012/09/04)
桜庭 一樹

商品詳細を見る

時は江戸時代。
伏と呼ばれる若者による凶悪事件が頻発し、その首に幕府は懸賞金をかけた。
伏とは──人にして犬、体も心も獣のよう。ひどく残酷な面があり人々から恐れられる一方で、犬の血なのか驚くほど人懐っこいところもあるという。
ちっちゃな女の子だが腕利きの猟師、浜路は浪人の兄に誘われ、伏を狩りに山から江戸へやってきた。獣の臭いに敏感な浜路はすぐさま伏に気づき追いつめる。
そんな浜路のまわりをうろつく瓦版の読売、冥土から、浜路は伏にまつわる世にも不思議な物語を聞く。そして冥土に誘われた場所で、一匹の伏をみつけた浜路。追いかけるうちに、伏とともに江戸の秘密の地下道へと落っこちる。真っ暗闇の中で、狩るものと狩られるものによる特別なひとときがおとずれた――。(文藝春秋HPより)


滝沢馬琴作『南総里見八犬伝』の贋作、つまり偽物の『里見八犬伝』とサブタイトルが付いている。

本編は、祖父が他界し、江戸にいる異母兄の道節を頼ってやってきた腕利き猟師の浜路が、“伏”を捕まえるために奮闘する物語。
その中に、瓦版屋の冥土の書いた『贋作・里見八犬伝』と、伏の信乃が語る「伏の森」の話が入ってくる。

滝沢馬琴の子である冥土は、父親が執筆中の原作より、よりリアルなものを書いていた。
それを読んだ当の伏たちは、話の中にある伏姫八房が暮らしていたと思われる森を訪れていた。
そこが“伏の森”で、自分たち伏の生まれた場所。
犬の本性のせいで、追われる身でありながらも、自分たちの位置を確保したい伏たち。
悪者のはずなのに、なぜかその運命に寂しさを感じる。
それはまるで、萩尾望都さんの『ポーの一族』のような悲しさ。

一方、伏を追う、猟師の浜路と賞金稼ぎ(伏の首には懸賞金が付いている)の兄道節。
妹を目に入れても痛くないほどのかわいがりようなのに、浜路のほうがしっかり者で尻に敷かれている状態。
でも、浜路のピンチには必ず助けに来る道節。
この2人の会話は、キャッチボールみたいに小気味がいい。
そして、浜路に興味を持つ冥土には、ふたりして警戒している。


本物の『南総里見八犬伝』は読んだことがないが、子どもの頃にNHKの人形劇で『新八犬伝』を観ていたので、懐かしい気持ちのほうが強かった。
辻村ジュサブローさんの人形がいきいきとまるで生き物のように動き、話もわかりやすくて、これが日本の古典文学だとは大きくなるまで知らなかった。
これを観たくて、毎日夕方になると急いで家に帰ったほどである。

映画版のほうは、若干話が違っているようだ。
観てみたいが、原作を読んだ後の余韻を楽しみたいから、やめようと思う。
読書中の、自分の頭の中で繰り広げる世界が、出来上がった映像とかけ離れていては辛いから。


                     by 蜩

映画化 と 原作

もう11月ですね。
今年もあと2ヶ月となってしまいました。

さすがに11月ともなれば、朝晩だけでなく、日中も寒くなってきました。
皆さん、風邪にはくれぐれもご注意を。

11月1日が休みになったので、映画を観に行くことにしました。
毎月1日は「映画の日」だからね。

観るのは、『ツナグ』 
ちょうど1年前に原作を読んでいて、ブログにもUPしてたんです。
死者に会える…? 『ツナグ』 辻村深月

そのブログの最後に、
「読み終えてから、この話はテレビドラマ向きだなと思った。
いや、是非ドラマ化して欲しい。
そんな後味の小説でした。」

と書いていました。
ドラマじゃなくて、映画化になりましたけど…(^_^;)

主役の歩美役の松坂桃李くんが、カッコ良かったぁ
彼はとっても「絵になる」俳優さん。
存在感があるのに、ちょっと頼りなさそうなところがまたイイ。
ばあちゃん役の樹木希林さんは文句なしでした。
配役の発表の時に、「イメージが違うなぁ~」と思ってて、私としては八千草薫さんのイメージだったんです。
でも、映画を観るとやっぱり役者さんは凄いです。

あと、死者と再会するホテルがとても素敵でした。
クラシカルで重厚な感じのする、この舞台にはっぴったりでした。

映画って、場面の一つ一つが絵になるんですね。
どんなシーンも、それを計算して撮っているんでしょうが、今回は特にそれを強く感じました。


原作を、自分の頭の中で映像化しながら読んでいくのが読書の醍醐味です。
作品によったら、映像になりにくいものや、閃かないものもあります。
最初からすっと映像になる作品は、やっぱり映画化になる確率が高いです。

その反面、映画化にして欲しくない作品もありますね。
特に、アニメは実写化するのに無理があるとか批判されることが多いです。
でも中には、原作以上に素晴らしい作品になるものもあります。

原作を知ってて観る映画と、まったく白紙のまま観る映画。

昔、角川映画のキャッチコピーに
「読んでから観るか、観てから読むか」
ってのがありましたけど、私は「読んでから」派だなぁと思いました。
ある程度、内容がわかっていた方が、話の流れがわかっていいのかもしれません。

最近はテレビや新聞での宣伝があるので、まったく白紙のまま観ることは難しいかもしれません。
それでも先入観無しで、観てみたい気持ちもあるんです。
まったく矛盾してますが…(^_^;)

この次に観たいのが、『のぼうの城』
これは原作は読んでません。
ただ、野村萬斎さんが好きなんでね。(*^^)v


                  by 蜩
蜩の最近読んだ本