『やわらかなレタス』  江國香織

江國香織さんの小説は何冊か読みましたが、エッセイは今回が初めて。


やわらかなレタスやわらかなレタス
(2011/02)
江國 香織

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相変わらず、“ほわんとしているのに芯が通ってる”イメージ通りの内容だったので嬉しかったです。

日常の何気ないモノや出来事にここまで妄想(?)をふくらませていけるなんて、さすが作家さん。
江國ワールドの原点はこの人柄なんでしょうね。
やたらと感激するし、マイペースだし、頑固だし…
そんな江國さんが、もっと好きになっちゃいました。

その中で、とっても共感できた章があります

『フライパン問題と目玉焼き』
隣に座った40代らしき女性2人の会話が、「フライパンの替え時」。一人は「ホットケーキがきれいに焼けなくなったら替え時よ」と言うのだけど、もう一人はそれを渋っている様子。
それを聞いていた江國さんは思わず「わかります!それを私は“フライパン問題”と呼んでいるんです」と叫びそうになったと。
テフロン加工されたフライパンが主流になって、しかも値段が手ごろだから簡単に買ってしまう。
が、新しいフライパンこびりつかなくて良い半面、手に馴染んでないのでどうも使い勝手が悪い。
だから、使い慣れたフライパンを捨て切れずにあれよあれよとフライパンだらけになってしまう。という問題。

わかるなぁ~と私もうなずいてしまった。
現に、ウチのフライパンがこびりつきだしているのでどうしようか悩んでいる最中。
でも、大きさといい、重さといい私の腕にフィットしてるんで捨てるのはまだよそうか…と。
それと、
“目玉焼き”って言葉、怖いと思いませんか?

もう一つ
『方向音痴のこと、あるいは打ち合わせの顛末』
「私は方向音痴らしいのだけど、方向音痴だという事実自体を、とくに「だめ」だとは思っていない。(中略)だめだなぁ、と思うのは、そのあとのことだ。迷いもせず。無事時間通りに約束の場所に着いたとき、誇らしい気持ちになるところがだめだなぁと思う。」(本文より)

まさにこれ、私。
自他とも認める方向音痴であるが、決して欠点だとは思っていない。
それに、みんなが迷うぞって言えば言うほど、迷うものか!って奮起してしまう。(結局迷うんですがね)
普通に着くところを、迷わなかったからって大威張りで到着する私はやっぱり変だったんですね。
自覚しました。
気を付けます。(^_^;)

タイトルの
『やわらかなレタス』 
ですが、
「レタスがやわらかい」と、思った方はいらっしゃいますか?
私は、どうも「シャキッとしてる」とか「パリパリしてる」イメージがあるのです。
これはどうも『ピーターラビットのおはなし』に出てくる一説らしいです。
いつも堅い雑草ばかり食べているピーターがマグレガーさんの畑のレタスを失敬した時に出たことばなんです。
だから「やわらかい」んですね。
人間が食べるように改良してある作物は、野生の動物からしたらきっとやわらかくて最高の食べ物なんでしょう。
まぁ、それでマグレガーさんには目の敵にされるんですがね。

この本にはこのように、江國さんが読んだ本がさらっと出てきます。
読んだことがある本、ない本、でも、とっても読んでみたくなるくらい彼女の表現が面白いのです。
1冊で、何度も美味しいエッセイでした。


                     by 蜩
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コメント

No title

本当に読んでよかったです。
この素晴らしいエッセイを、できるだけ多くの人に読んでほしいと思います。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。

2014/03/17 (Mon) 16:07 | 藍色 #- | URL | 編集
【藍色様へ】

コメントありがとうございますv-291
ステキですよね、江國さんのエッセイは。
私もたくさんの方に読んでもらいたいです。(*^_^*)

2014/03/21 (Fri) 11:54 | #- | URL | 編集

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